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年金受給の基礎知識を徹底解説!【これから貰い始める人向け】

老後にもらえる年金はいくらかご存じですか?

  • 「言われるままに払ってただけだからイマイチよく分からない」
  • 「繰り下げ受給、繰上げ受給とよく聞くけど……?」
  • 「快適な老後のためにできるだけたくさん年金がもらいたい!」

この記事を読むと、年金の仕組みから計算方法、年金はいくらくらいもらえるのかが分かるようになります。

記事の後半では、結局いつ受給開始すると損しないのか?についても解説しています。ぜひ最後までご覧ください!

①年金制度とはそもそも何なのか?

日本の公的年金制度は、「老後が自立困難にならないよう社会全体で支えよう」という考えの下に作られた社会保険の一つです。あらかじめ保険料を納めることで、老後や世帯の働き手が亡くなってしまった時などのリスクに備えることを目的としています。

公的年金は国民年金と厚生年金の2階建てと言われています。

1階部分は国民年金(老齢基礎年金)で自営業者や会社員、専業主婦など20歳以上~60歳未満の国民全員が加入する年金です。2階部分は会社員または公務員が加入する厚生年金(老齢厚生年金)となっています。

※自営業者も任意で加入する付加年金や国民年金基金等の制度で2階建てにすることも可能です。私的年金も入れて3階建てで準備するのも一般的になっています。

②公的年金はいくらくらい受給できるものなの?

国が調べた平均は以下の通りです。

  • 老齢基礎年金は約6.5万円/月
  • 老齢厚生年金の平均は14.3万円/月

参考:厚生労働省年金局調べ(平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 (mhlw.go.jp) )

実際には年金を支払った期間や働きかたによって受給額は変わってきます。

計算方法は以下の通りです。

【老齢基礎年金(1階部分)】

1年の老齢基礎年金=約78万円×納付月数÷480月

ここでの約78万円は20歳~60歳未満までの480ヶ月すべてで保険料を納めた場合の満額です。保険料を納付した月数が少なくなれば、それに応じて受け取る年金も少なくなってきます。

原則として10年以上保険料を払っていないと支給対象外となってしまうので注意が必要です。

【老齢厚生年金(2階部分)】

1年で受け取れる老齢厚生年金=平均標準報酬月額×7.125÷1000×平成15年3月までの加入月数+平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の加入月数

計算式だけを見てご自分で計算するのはなかなか難しいかと思います。そこで受け取れる年金額について簡単に確認する方法があります!

上記の内容を確認すればご自分で計算をせずとも受け取れる年金額について知ることができます。参考にしてみてください。

③夫婦でもらえる年金額は違うの?

厚生年金の受給額が変われば、もちろん夫婦での受給額は異なります。具体的な受給例あげながら見ていきましょう。

自営業、会社員、パート等の働き方によって年金額は様々です。また年収も違えば年金額も違ってきますから、大半の夫婦の年金受給額は違うのが当然です。

具体例を見ていきましょう。

夫:20歳から会社員(平均標準月額報酬45万円)
妻:10年間会社員(平均標準月額報酬25万円)その後専業主婦の場合

夫:老齢基礎年金65,000円/月+厚生年金97,453円/月=約162,000円/月

妻:老齢基礎年金65,000円/月+厚生年金13,038円/月=約78,000円/月

夫婦で240,000円/月

夫20歳から会社員(平均芳醇月額報酬45万円)
妻:20歳から会社員(平均標準月額報酬35万円)の場合

夫:老齢基礎年金65,000円/月+厚生年金97,453円/月=約162,000円/月

妻:老齢基礎年金65,000円/月+厚生年金75,797円/月=約141,000円/月

夫婦で303,000円/月

年収や働き方によって受給額が夫婦でも違ってくることがわかっていただけたかと思います。

④何歳から年金をもらい始めるのが一番得なのか?

個々の家計の状況や働き方によって異なりますが、80歳まで生きていれば68歳受給開始が一番得をします。

年金の受給開始は原則として65歳からとされています。(年齢や生年月日により65歳前に老齢厚生年金が特別支給という形で受け取れる人もいます)例外として60歳から受け取ることのできる「繰り上げ受給」や、70歳以降から受け取る「繰り下げ受給」などの方法で受給開始年齢をずらすことができます。

『繰り上げ受給』と『繰り下げ受給』に関して少し詳しく説明します。

繰り上げ受給

本来の年金受給開始年齢にならなくても前倒しで年金を受け取ることができます。

「繰り上げ受給」は60歳になっていれば、いつからでも受給開始できます。ただし、本来の受給開始年齢から前倒しをした月数×「一定の率」をかけて算出された減額率により減額されます。

「一定の率」は生年月日によってきまっていて、

  • 昭和37年4月1日以前生まれの人は0.5%
  • 昭和37年4月2日以降生まれの人は0.4%

となります。

これは、年金財政の維持のためには厚生年金の受給開始年齢を従来の60歳から65歳へと後退させるしかなくなったため、年金受給者予備軍に対する負担軽減の配慮から年齢によって差が出ています。

繰り下げ受給

『繰り上げ受給』と反対に65歳より後ろ倒しで年金を受け取ることもできる『繰り下げ受給』。

2022年4月以降75歳まで先延ばしが可能になりました。65歳から受け取る年金額と比べ、1ヶ月ごとに0.7%増額されます。受け取るタイミングを遅くすれば遅くするほど、割増されていきます。

増額率の計算方法は0.7%×65歳になった月から請求した月の前月までの月数となります。

一見すると繰り下げ受給を限界までしたほうが得のようにも思えますが、早く亡くなってしまうと損することもあります。

65歳受給開始と比べると、

  • 68歳受給開始の場合……79歳以降年金額は得する
  • 70歳受給開始の場合……81歳以降得する
  • 75歳受給開始の場合……86歳以降得する

という結果になります。

それほど長生きせず80歳で亡くなってしまったとしても、68歳受給開始で損しないと言えます。

⑤払った年金に対して損しない為にはどうしたらいいの?

Japanese pension handbook and currency

老齢基礎年金のみの受給者であれば、77歳の受給で損をしなくなる計算です。

老齢厚生年金受給者であれば73歳までもらえば少しプラスになります。

納付総額や受給総額を比べながら見ていきましょう。

老齢基礎年金について納付する保険料額からみていきます。年金保険料が月額166,610円ですので、この金額を20歳から69歳までの40年間(480ヶ月)支払ったとすると166,610円×480ヶ月=7,972,800円となります。

女性で65歳から受給する場合、年間受給額は780,900円/年。平均寿命である87歳まで生きたと仮定すると22年間受給することになり、受給総額は780,900円×22年間=17,179,800円となります。

国民年金だけの場合、約12年間受け取ることで損しないようです。

老齢厚生年金をもらえる場合も確認しましょう。

老齢厚生年金の特徴として、保険料の半額を会社が負担してくれています。

月収30万円の場合、厚生年金保険料自己負担額は月27,450円です。しかし厚生年金保険料の中には国民年金保険料(基礎年金)も含まれているため、この金額だけで国民年金保険料も全額支払っていることになります。

仮に20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)に支払う厚生年金の保険料総額は27,450円×480ヶ月=13,176,000円

厚生年金の受給額は原則的に「平均標準報酬月額×支給乗率×加入月数」で計算します。支給乗率は生年月日や加入期間によってかわってきますが、ここでは支給乗率が0.5481%と仮定します。

平均標準報酬月額30万円の男性の場合、老齢基礎年金を合わせた年金受給額の総額は1,500,000円です。

計算式は、780,900円+(30万円かける0.5481%×480ヶ月)=1,570,164円

60歳で退職し、65歳から81歳まで受給する場合の年金総額は1,570,164円×16年間=25,122,624円となります。支払った額の倍の金額を受け取ることができる計算です。おおよそ8年年金を受け取れば、支払った額より得をします。

年金受給においてはいつまで生きるかがポイントになってきます。いくらもらえるかはもちろん、老後の生活の理想とそれに係る支出を見える化し、いくら蓄えておく必要があるのかなどを考えていくとよいでしょう。

【まとめ】知識をつけて豊かな老後を送りましょう!

  • 80歳まで生きれば68歳から年金を貰い始めるのがお得(※状況や働き方で異なる)
  • 厚生年金の受給額によって夫婦でも貰える年金額は違う
  • 厚生年金を貰える人は73歳まで貰えば少しプラスになる

今回この記事でご紹介した『公的年金を少しでもお得に受給するためのコツ』を参考に、豊かな老後を送りましょう!

とはいえ年金がいくらもらえるかわかっても、その金額だけで足りるのか不安が残ります。各家庭の状況や働き方によっても老後の収支はかわってきますので、お金のプロにご相談いただくことがお勧めです。

ラフテルではお金のプロであるFPによる無料相談を実施しております。ぜひお気軽にお問合せください。