【おおよそ2,000万の退職金が5年でつきる⁉】 公立教員向け・ライフプラン前提
今回は公立校教員向けのライフプランの前提となるお話をさせていただければと思います。
(1)教頭・校長にならないと教員の年金は240万/年ほど
240万の前提条件
- 大卒22歳で公立の教員となる
- 校長、教頭、主観教諭にならず、教諭として定年を迎える
一生涯現場に立ち続ける教諭の場合、年金額は大体240万円です。
公務員の年金試算作業のうち、ねんきんネットでできるのは老齢基礎年金の資産だけです。
これだけなら年金定期便があれば十分です。
より詳しく年金額が知りたい場合は、公務員向けの年金試算サイト「地共済年金情報ウェブサイト」で試算してみてください。
少子高齢化で年金のもととなる税収も減るばかり、公的年金という響きに安心感を覚える人はもはやいないでしょう。
現実的にも税収をきちんと確保しないと年金受給は安定しません。
定年後は年金で楽な暮らしができるという時代は終わったのです。
公立校教員の定年後の生活もけっして安心できません。
ただ、だからといっていつまでも同じように働くことができるかといえば、それも違います。
年金受給中はまともに働けばその分の収入があるため、年金は減らされてしまうので、
働かない方がいいという方もいらっしゃるかもしれません。
そうは言っても、すぐには65歳定年はやってこないでしょう。
年金をもらえても年金だけでは不足してしまい、給料も非常に少ない。
だから、60歳からの生活設計が必要になってくるのは当然です。
(2)定年後の未来予想
退職はいつになるのか?
地方公務員の扱いとなるので、教師の定年は多職種の地方公務員と同様に
国家公務員の定年を基準として各地方自治体の条例で定められています。
したがって公立校教員の定年後は原則として管理職から外す、
「役職定年制」の導入も検討されています。
また地方公務員には定年退職者などを対象1年以内の任期できる「再任用制度」があります。
給与や手当は減りますが、この制度を利用して、1年ごとに更新しながら上限の65歳まで教師を継続するパターンが多いです。
基本的に定年退職後の5年ほどは収入がないわけですから、
収入を得るために働いている先生の方が圧倒的に多いでしょう。
しかし、60歳からこうしていこう、ああしていこう。
とあらかじめ構想しておくことがとても大切です。
とりあえず、再任用でいこうかな…では、老後の安定は得られないかもしれません。
退職金は?
まず退職金は2,000万ほどもらえるでしょうから、特に心配ありません。
しかし、すでに何か入用があって使い道が決まっていることも。
やめる前から、子どもたちの教育資金や家のリフォーム等に充てなければならないかもしれない。
ということも頭に置いておく必要があります。
老後の二人暮らし家計を予想 厚生労働省の簡易生命表
- 60歳男性の平均余命…約24年
- 55歳女性の平均余命…約33年
ですから、夫は84歳 妻は89歳まで生きると仮定します。すると次のように考えられます。
- 夫の60歳定年から夫婦二人の生活期間…24年間
- 夫死亡から妻一人の生活期間…9年間
総務省統計局の家計調査年報によると、
高齢者夫婦無職世帯の一か月の支出…約27万円 収入…約25万
厚生労働省の就労調査によると、
退職給付額の平均…1,941万
この内容を上記夫婦に当てはめてみると、
- 収入…25万×12ヶ月×24年 + 8,5万×12ヶ月×10年+ 1,941万=10,161万
- 支出…30万×12ヶ月×24年 + 17万×12ヶ月×10年=10,680万
上記の場合
計算上は、 約520万円不足 します。これでも年金暮らしではギリギリの家計で生活するということです。
更に今後は物価も上がり、もらえる年金も少なくなることを予測すると余裕のないギリギリの家計で生活することになります。
ではどうすればいいの?
老後不足するであろうお金を現役の今から準備していけば解決です!
では、それはいくらなの?
公立校教員といってもそれぞれのご家庭で実現したいライフスタイルは異なります。
様々な環境変化が起こる中、「いつまで働けるのか」「退職後の生活はどれくらいお金がかかるのか分かりにくい時代になりました。
各々によって不足するであろう金額は変わってくるわけですから、ライフプランニングで、目標設定し賢く貯めていきましょう。
(3)教職員共済について
教職員共済は、教職員向けの共済保険です。もちろん一般企業むけにはありませんし、教員以外の人が利用することもできません。
具体的には、全国の国立大学法人、高校、公立・私立学校、幼稚園及びその所轄にある独立行政法人・文化庁等に勤める方です。
とても身近にあるので実際に加入しているひとも多いかもしれません。
メリット・デメリット
個々の商品を見ていくとメリット、デメリットありますが、共済制度ということもあり、総じてコスパがいいです。
共済制度は、一般的に県民共済やこくみん共済などで広く知られているのでご存じの方も多いと思いますが、特徴として掛け金自体が安い。
商品も幅が広いので、必要な商品も見つけやすいでしょう。
教職員向けの共済の種類は?
- 総合共済
- 火災共済
- トリプルガード(団体生命保険・共済保険)
- 自動車共済
- レスキュースリー(交通災害共済)
- 年金共済
- 新・終身共済
- 車両共済
と、単に生命保険だけでなく、車両共済のように損害保険も一緒に取り扱っているようです。
また、団体保険特有の総合共済があるという点もpointですね。
総合共済というのは、 医療保障と死亡・後遺障害補償が合わさっているもの で、保証額は大きくないものの、掛け金を安くしたうえで、両方の保障に備えるというものです。
これについては、ほかにも県民共済やコープ共済といった共済保険でも提供しているので、迷ったら、総合共済に入る。という方も多く、選択肢としてはかなり選びやすいでしょう。
そして、総合共済を除いて、退職後も継続ができることもpointです。
しかしながら、総合共済の場合は退職する際、契約を続けることができず、一番リスクが高くなっていく老後に保険の見直しをしなければならなくなることです。
60歳時点で新たに保険に入ろうと思うと高額になったり、体況によっては加入すら難しくなる場合もあります。
総合共済保険だけ続けることができない理由のひとつとして、保障内容の中に、教職員賠償責任保険が入っているからです。
公務上のトラブルに備えるものですが、退職すると、この保証は不要となってしまいます。ですので、総合共済を利用している人は、解約手続きをしなければなりません。
他には年々保険料が微増していくという点があります。これは商品によりますが、例えば10年経過した後の更新時に数百円上がるなど、若干の微増になります。
総額で考えてみると、民間の保険より安いことに変わりないのですが、一定額が一生続くわけじゃないことに注意しなければなりません。
教職員共済(団体保険を含む)をベースに民間の保険を検討することが大切
いきなり民間の保険を検討することもいいですが、まずはご自身の家庭にどんな保障がいくら必要なのか?をしっかり考えましょう。
共済保険も同様にかけすぎる必要はないのです。共済保険と民間保険で足りない保障を補い合う形で加入されるのが、一番望ましいでしょう。
まとめ
教頭や校長にならないと、教師の年金は240万/年ほど?
⇒ご自身の年金はいくらもらえるのか?確認をしてみましょう
定年後の未来予想=退職はいつになるのか?
⇒今のところ60歳と考えて、再任用するとしても、漠然とではなく計画性をもって。
退職金は?
⇒2,000万ほどもらえると予想される。が、ライフプランによっては入用になってしまい、老後の生活費にあてることができない可能性もあることを頭に置いておこう。
老後の二人暮らし家計を予想
⇒老後の年金と退職金を含めても、マイナスになってくるため、今からライフプランで目標を明確にし、老後の資金準備をしましょう。
教職員共済についてメリットデメリット
⇒とにかく安い。そして種類も豊富なため、必要な保障が見つかりやすいしかし、退職後に保障を継続できるものとできないものがあり、保険料も微増していく。
教職員共済(団体保険を含む)をベースに民間の保険を検討することが大切
⇒共済保険だけ、民間保険だけ。偏らず、足りないところを補填しあうよう、総合的にみて加入することをお勧めします。